中性脂肪について学ぶ

中性脂肪は私たちが活動するための大事なエネルギーの貯蔵庫ですが、過剰に摂取すると健康に害を及ぼします。

高脂血症のほか、肥満の原因ともなる中性脂肪

中性脂肪は大事なエネルギー源だ!

 血液中に含まれる脂質にはコレステロールのほかに、"中性脂肪"なる脂質があります。中性脂肪の別名は、トリグリセリド。中性脂肪は私たちが活動するための大事なエネルギーの貯蔵庫です。
 人間が活動するときにまず利用されるエネルギーが"糖質"。そして糖質が足りなくなると、人は中性脂肪をエネルギー源として利用するのです。中性脂肪もコレステロール同様に食物から摂取するものと肝臓で合成されるものが存在します。
 エネルギーとして利用されなかった中性脂肪、いわゆる"余った中性脂肪"は、血液によって皮下や内臓の周りに"皮下脂肪"、"内臓脂肪"として体内に蓄えられ、体を保温したり外からの衝撃や圧力から臓器を守るなどの重要な役目を担うのです。

血液中に中性脂肪が増加すると高脂血症を招く

 中性脂肪の元となるのは、高エネルギーな食事、アルコール、お菓子や果物などの糖質です。これらを摂取しすぎたり、日ごろの運動不足で摂取エネルギーに対して消費エネルギーが少なかったりすると、血液中に中性脂肪が増えて高脂血症を引き起こしてしまうのです。
 また、皮下脂肪や内臓脂肪も過剰になると、脂肪肝や急性膵炎を起こす原因となりうるので注意が必要です。

中性脂肪が高い人はココを気をつける

 中性脂肪値が多い人は、日頃の生活の中で以下のことに気をつけなくてはいけません。

 (1) 日常的にアルコールを飲んでいる方は飲酒量を控える。
 (2) お菓子や菓子パン、ジュースなど、糖質の多いものは控える。
 (3) カロリー摂取量をキチンと心がける。
 (4) 運動量を増やすよう心がける。

中性脂肪値が高い人は肥満を合併している方が多い傾向にあるので、カロリー制限をキチンと行う必要があります。肉の脂身など動物性脂肪を控えたり、糖質やアルコールの摂取量を控えるよう心がけましょう。また、事務職やデスクワークが主な方などは、運動量が減少しがちですので、摂取したカロリーを消費するためにもエレベーターやエスカレーターを使用せず階段を使うなど、最低限できることはやるように心がけてください。時間を取れるなら、有酸素運動を生活に取り入れてください。運動が高脂血症にもたらす効果は現在、正確に解明されていませんが、運動によってたくさんの酸素を体に取り入れて消費することが、結果として中性脂肪を減らすと考えられています。