高脂血症と診断される基準値
高脂血症は自覚症状がないことから、健康診断などで血液検査を受けて初めてコレステロール値や中性脂肪値が高いことを知る人がほとんど。
一般的にコレステロール値および中性脂肪値から高脂血症と診断されるのは、次のとおり。
1.総コレステロール値220mg/dl以上
2.中性脂肪値150mg/dl以上
また、日本動脈硬化学会では、危険因子の有無に応じて以下のような管理目標値を設定しています。
心疾患と危険因子の有無 | 脂質の管理目標値 (mg/dl) | ||||
心疾患 | 危険因子 | 総コレステロール値 | LDLコレステロール値 | HDLコレステロール値 | 中性脂肪値 |
なし | 0 | 240未満 | 160未満 | 40以上 | 150未満 |
1つまたは2つ | 220未満 | 140未満 | |||
3つまたは4つ以上 | 200未満 | 120未満 | |||
あり | ― | 180未満 | 100未満 |
※心疾患とは、確定診断された心筋梗塞、狭心症を指します。
危険因子とは、加齢(男性45歳以上、女性55歳以上)、高血圧、糖尿病、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL血症(40mg/dl未満)の6つ。
コレステロール値の検査について
血液検査には、生化学的検査、血液一般検査、血清学的検査の3種類があって、コレステロール値が分かるのは生化学的検査。生化学的検査では、コレステロール値のほか、血糖値や尿酸値などの糖尿病、腎臓病の有無も調べることができます。この検査の方法は、血液から血球(赤血球、白血球、血小板)を取り除いた血清中の脂質の濃度を測定して数値を出します。検査を受けるときには検査の約12時間前から食物をとらないようにします。中性脂肪値は食事の影響を大きく受けることから、検査前に食事を取ると正確な数値が得られません。また、検査前はジュースなどの糖分を含んだ飲み物やアルコールも控えなくてはいけません。
コレステロール値の高い低いは、個人の体質や体調によっても差が生じます。このため、数値に異常が見られた場合は再検査を実施します。そして正常値が確認されない場合は、動脈硬化が進行しているかどうかや血圧、血糖値、肥満度、心電図、尿酸値、胸部X線検査、眼底検査、血清リポタンパク質検査等を実施して、その結果を総合的に判断して高脂血症か否かの判断を下します。この総合的な判断には、検査結果のほか、現在の症状や食生活、喫煙の有無、家族の病歴なども加味します。
なお、総コレステロール値は低すぎても問題視され、150mg/dl未満の場合、肝臓病や甲状腺機能亢進症など、ほかの病気を合併していないかどうかの検査をすることとなります。